たてぐるみの家  2015. 05

つくば市の松代地区にパン屋を併設する住まいができました。南北に細長い敷地形状を反映した大らかなたたずまいで、道路側に水回りなどを納めた張出しを設け、庭や玄関、駐車のプライバシーを確保しました。みせと住まいを一つの屋根でおおい、間仕切り建具を開閉することによって、広がりや通風、視線の調節ができるのが特徴です。巾4.5m, 長さ19mの2階建て母屋の巾方向両端には、2.7mごとに巾60cm, 90cmの耐力壁を設けて合理的な構造にするとともに、耐力壁間のくぼみに、壁巾に応じた収納やデスク、階段などを納めることで、中央部に開放的で細長い共有スペースを生み出しました。昔から民家の梁(はり)に用いられてきた松の丸太をあらわにした2.7m間隔のフレームと、床仕上げの変化と床の段差、天井高さの変化、そして家具や建具の室礼(しつらい)などによって、ワンルーム的でもある室内は緩やかに分節・差異化されて、それぞれの居場所が作られます。特に2階部分は家族構成の変化や時々の好みに応じて居場所を交換したり広げたりしやすいつくりになっています。規則的で合理的なフレームにしばられるのではなく、それを手掛かりとして多様で前向きな利用が図られることを期待して計画しました。そしてここでは工事や管理の体制などを工夫することで、建物本体の坪単価を50万円台に抑えるなど工事費の圧縮を実現しています。また省エネにも配慮し、断熱等級4を獲得しています。

なお、パン屋さんのオープンは2015年10月31日(土)の予定ですのでお楽しみに、そしてよろしくご愛顧のほどお願いいたします。