エコハウス 2017.01

山梨県鳴沢村、富士山北麓のカラマツ林のゆるやかな傾斜地に立つ、間近に富士を望む住まいです。東西に細長い住まいで南側の大きな開口部からは全室ともに富士山頂が大きく見えます。室内の延長として東南に懸崖(けがい)づくりの大きなデッキを張り出し、さわやかな空気の中で外の暮らしも楽しむこともできます。断熱性については、平成25年基準よりも上位グレードの「HEAT20 G1」を超える外皮標準熱貫流率(UA値)を確保した、環境にやさしい住まいでもあります。仕上げは内外とも、板張りや砂ジックイなどの自然素材、キッチンや収納家具などもオーダーメイドの手作りを基本として計画しました。暖房は床下エアコン1台と床上/床下兼用エアコン1台で一定レベルの室内環境を維持し、補助的に薪ストーブを使用する形式で、一方夏季は、通風と高窓からの排熱をうながす自然換気と日除けのしつらいによってその暑さをしのぐかたちです。すべての窓から木々のみえる暮らしとは、とても豊かでわたしたちを開放的で非日常的な気分にさせる力があります。そんな気分を削がないようなつくりを心がけて計画しました。