横浜市南区の住宅密集地、防火重点対策地域の基準に合うように、木造準耐火構造で建て替えた小住宅である。アプローチのスロープ、段差の少ない玄関、あがりやすい階段などの物理的な優しさに加え、防火的な規制に掛からない部分には積極的に木材を用いて見た目にも優しいあり方を両立した。

洗濯が趣味という住まい手のために、1階の屋根上にヒノキ材のベランダを設けた。住まいの大きさには不釣り合いなくらいゆったりとしたベランダは、冬の陽だまり、夏のビールなど、季節を楽しむための場所であり、屋根に覆われているため、天気を気にせず窓を開けたり風を取り入れたりできる。

目隠し塀や縁台、杉の一枚板のテーブルなども大工さんによる手作りであり、時間の経過の中で、より深い味わいを醸し出していくことを期待している。