I 幼稚園遊戯室改修  2018.02

 

茨城県石岡市の幼稚園遊戯室部分(鉄骨造、築32年)の改修設計。雨漏りのあった屋根まわりの鉄骨骨組みの状態を確認・点検し、健全な下地部分は再利用しながら、屋根仕上げ材を葺きかえて建物構造自体の延命化を図るとともに、地場産の木材を利用した雰囲気の改善や、普段使いを優先した使い勝手の良さの獲得など、空間の魅力を増すことによるソフト面での長寿命化にも期待しました。

  開かずの扉だった高窓を交換して通風や廃熱に利用する、ステージや上部の下がり壁を撤去して、普段使いができる部分の面積を増やし、同時に視覚的な広がりを得る、遊戯や体操などの荒っぽい使い方にも耐えうるよう腰壁を板張りとする、香りや温かみなどの木育面での効果にも期待して板張り天井とする、カーテンやブランコが設置できるよう、下がり壁の代わりに樹木のような形状で透け感のある木造のトラスを挿入したり、壁にフックを設ける、などが主な改修点であり、照明や空調計画も含め、一体的に整備することによって、統一感や親しみ感のある遊戯室に生まれ変わったように思います。

 一方、県産のヒノキ材を利用して製作した、組み合わせればステージになり、ひとつひとつが座卓やベンチとしても使える木製家具の存在も、

その使い方を工夫したり、(柔らかくキズにもなりやすい)モノを大切に扱う心を育むといった、教育的な価値にもつながると良いなと思っています。 

                               ※家具材の整備にあたっては、森林湖沼環境税を利用した茨城県の補助金を活用しています