HANDMADE   手づくり ということ

 携わってきた仕事のキーワードのひとつ、そしていえづくりを楽しむための大きなポイントに「手づくり(handmade)」があげられると思います。

手づくりの良さは、世界にひとつしかないものができること(オリジナル)、好みのデザインや質感が得られること、限られたスペースを有効に利用でき、周囲の空間との調和が図れること、あたたかみや経年変化による味わいがあることなどです。

 

 また手づくりは、一般に時間と手間がかかる方向になりがちですが、工夫次第でそれほどのコストアップにもならないはずです。ただし、特に自然素材を用いた時には、こまめな手入れや定期的なメンテナンスが必要になる場合があることを覚悟しておいた方がよいかもしれません。

 「何故既製品ではなくオーダーメイドなのか?」、「既製品のように性能が表示されていないではないか」などとお叱りを受けそうですが、依頼主(住まい手)とつくり手がお互いに顔の見える関係でさえあれば、(泥臭いですが、)要望を伝えあう、気を使ってつくる、努力するといった過程を経て手づくりのものが完成し、数値では表せない記憶に残る、愛着のわくものが生まれるのではないか、という希望があり、そしてプラスアルファの価値や性能が期待できるからです。

 上に掲載した写真は、設計工房禺(※1)時代の、手づくりの、照明器具や浴室・台所等の水回り、和室、家具などの一例を紹介したものです。