白と黒の家  2015.01

静岡市内の高台に、富士山を望む「板倉の家」が完成しました。外部は母屋(上屋=じょうや)が焼き杉板張り、下屋(げや)や越屋根(こしやね)が砂じっくい仕上げで、内部は骨組みあらわしのうえに杉板壁と砂じっくいで仕上げています。母屋の中央に2.5坪の吹抜けを設けて2階を適度なプライバシーを保ちながら回遊できる動線とし、吹抜け上の越屋根部分に採光と換気の役割を期待しました。その吹抜けまわりには障子やアクリル板を配し、視線や温熱環境を調整できるようにしています。構造材には地場産の杉・ヒノキを用い、梁組み(はりぐみ)の整理・工夫によって、6寸梁以下の材料で大きな空間とシンプルなたたずまいを両立しています。木構造を始め、無垢材をふんだんに用いた大工さんの手による家具や水回りの内装など、技術に裏打ちされた手仕事による統一感のある住まいです。2階には在宅で仕事のできる小さなオフィスもついています。   施工:匠工務店(静岡市葵区) 協力:けんちく工房邑(つくば市)