木造平屋建て、スパン16m、床面積512㎡、最高高さ<10m、 軒高<9m、トラス間隔2mの、木造建築技術研究所がGOOD DESIGN AWARD 2024 を受賞しましたので、お知らせいたします。(株)ヤモリとの共同設計で、構造設計はKMCの蒲池さんです。
木造建築物をつくるための新たな耐力壁などの研究開発用の実験設備を備えた研究施設で、要求されたスパンや室内空間のボリュームを最小限の木材量で構成することを目指しました。屋根下に12m以内ごとに隔壁の設置を求められてしまったのは残念ですが、集成材の扁平柱と横間柱がつくる大らかな空間は、重そうな見た目の鉄骨のクレーンに比べとても軽やかです。最小限の木材量は、建物重量の軽量化やコストダウンにもつながっていますので、一般的な鉄骨の倉庫よりも安くつくれる点や、今後の倉庫や店舗等への展開の可能性について、評価いただいたものと思います。
ここ数ヶ月バタバタで、久しぶりの更新です。13年前に竣工した友人宅の改修工事で、外部に露出している木の梁を金属板でくるむ木口巻きを板金屋さんに依頼しました。梁は松の丸太(タイコ)で、外壁が斜めなので下から見ると平行四辺形のかたちになっています。まだ健全な状態ですが、この機会に、より長持ちさせるべく水を吸いやすい木口の保護をすることになりました。
3本の丸太の木口をくるんでもらったのですが、すべて大きさが異なるので、一カ所ずつ採寸・型取りをする手間の掛かる仕事でした。
左の写真は施工前の松梁、真ん中は梁の木口と下側に吊り子でガリバリウム鋼板を固定したところ、右側は、左右と上側の鋼板を先につけた鋼板につかみこんで固定した完成形です。上部と左右には出っ張りがあり、下側にないのは、梁の周りに当たった雨をスムーズに下に落とすためで、とても自然なカタチです。一方、一般的な木口巻きは、下側にも出っ張りがあって水が切れにくいカタチをしていますが、それは見た目を優先するからであまり機能的なかたちとはいえないように思います。
とにかく、堅いガルバリウム鋼板を現場で加工して手際よく納めていく職人の技に感謝 です。
昨年の10月から工事を進めて参りました、木造平屋建ての園舎が完成しました。2か月ほど着工が遅れてしまいましたので、工期内の竣工が危ぶまれていましたが、工事関係者のみなさまのご尽力のお蔭で、新学期に無事間に合わせることができました。
小さな材で大きな空間をつくるために構造的な工夫をこらし、なおかつシンプルでスッキリとした教室にすることで、園児たちが集中しやすい雰囲気とすることをこころがけました。今後、園のみなさんが落ち着いてから完成見学会を開催予定ですので、またお知らせいたします。(わたしと飯田さんとの協同設計で、茨城県の森林湖沼環境税を活用したH30年度「木づかいチャレンジ事業」の補助をいただいて整備しています。)
里山住宅博が来年の6月から半年間ほどの会期で、つくば市春風台にて開かれます。20社を超える務店が、里山ぐらしなどをテーマにした住宅をつくり、住宅博会期中は街区全体をモデルハウスとして公開し、住まい手を募っていく、ちょっと変わった試みです。
参加工務店のほとんどが地元の業者でもあるため、普通の住宅展示場とは違って、テーマがわかりやすく地域色が豊かなものになりそうです。
当所では、参加工務店のひとつ「いばらき大工棟梁の会」とともに、木造2階建ての住まいを提案する予定です。
長期優良住宅の認定を受けた性能面はもちろん、自然素材中心に手づくり感が高く、また暮らしやすさやデザイン面にも配慮しています。
5月中の竣工に向けて、12月初旬に着工し、年内に基礎工事がほぼ完了しました。1月末頃から手刻みによる建て方の報告ができそうです。来年もよろしくお願いいたします。
塀を軽量化して転倒事故を防ぐ意図での木塀と、木育効果に期待した公共空間におけるキッズコーナー(木小屋)のデザインと製作の
依頼を受け、グリーンフェスティバルにて木塀と木小屋の展示を行わせていただきました。写真左がセッティング後の全景、右が
イベント時の利用風景です。
木塀は3種類で、それぞれ貫と格子を使ったもの、大和塀をアレンジしたもの、下見板張の門柱的な利用を想定したものです。
コンクリート布基礎への設置を前提に、固定方法も踏まえたデザインにしました。
木小屋はスギの厚板を使った落とし込み板壁方式で、解体・運搬・再利用を想定し、部材ごとに分けられる仕組みにしています。
イベント時は大盛況で、ほっとしました。
この数か月間、ずっとバタバタしていて更新を怠けてしまいました。
昨日、15日~17日まで埼玉県行田市のものつくり大学で行われていた、壁-1グランプリを見てきました。
20年間行われてきた「耐力壁ジャパンカップ」が、今年から壁-1グランプリとして生まれ変わり、
新たにスタートした記念すべき第1回の大会です。少しマニアックな話題ですが(笑)。
どんな大会かというと、様々ななルールはありますが、決まった大きさの枠組みの中で自由にデザインされた
耐力壁をつくって、その強度や粘り強さ、デザイン、施工性や環境への優しさなどを競うものです。
耐力壁とは、地震や風などの力に抵抗し建物を守るために必要な力を持った壁のことですが、
ひとくちに耐力壁とはいっても、固い壁や変形性能に優れた壁、つくるのにとても手間がかかる壁など、
いろいろあります。それらの壁同士がトーナメント方式で引き合って対決し、先に壊れたり変形が大きい方が
敗退し、勝ち残ったチーム(壁)が強度部門の優勝となります。
敗退した壁の中でも、強度はもちろん、デザイン性や施工性、環境への配慮に優れたチームには、
壁の総合力が評価される総合優勝を勝ち取るチャンスがあります。
私も2回ほど壁をデザインして参加したことがあります。参加すればもちろん、見るだけでも面白いと思いますので、
来年は是非ご覧になってはいかがでしょうか?
壁-1グランプリの宣伝のようになってしまいました。
旧正月の2月16日、鹿島神宮にお参りしてきました。参拝者がまばらだったこともあり、ふだんではなかなか感じることのできない、
静けさやありがたみを存分に味わうことができました。奥宮へいたる奥参道の掃き清められた地面を歩くことで、気分一新できた気がします。
I幼稚園の遊戯室改修工事がほぼ終わりました。改修前と改修後をBEFORE - AFTERでご紹介します。
鉄骨造建物内装の木質化工事で、ステージを撤去しふだん使い部分の面積を広げ、ステージ上部の下がり壁を取り払い
木造のトラスに置き換えることで、奥行き感が増すとともに、木や森の感じが出て、より親しみやすい空間になりました。
反りの見られた床を張り替え、天井や腰壁も杉板張りとしたことで、より安全で荒っぽい使い方もできるようになります。
これから、撤去したステージ代わりにも使えるような多目的な家具を製作し、全体工事が完了となりますので、
その際にまたご報告いたします。
遅くなってしまいましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
横浜市で工事中の小住宅がほぼ完成し、完了検査にも無事合格しました。住宅密集地で不燃化推進地域でもあるため、外からの火をもらいにくく、家の中からも外へ出火させない、準耐火建築物となっています。準耐火仕様は、内外装ともに細かな制限があり、木造住宅でありながら、床を除いて、ふつうの木材を表面には出しにくくなります。
写真は、洗濯が大好きなお施主さんのために作ったヒノキのデッキ板を張った屋根付きのバルコニーです。金属屋根の上に載せるかたちにしたことで、床部分の仕上げをフリーにしました。日向ぼっこやお茶もできますので、有効に使っていただければと思っています。
まだ外構工事が残っていますので、完成後に改めてご報告いたします。
I 幼稚園、遊戯室の木質化の改修工事が進んでいます。
この工事には鉄骨造園舎の寿命を延ばすという役割もあります。
屋根の改修、天井の張り替えも済み、木造のトラス工事が先日完了しました。既存の鉄骨間にはめ込んでもらったのですが、きれいに納まっています。工事関係者のご尽力に感謝いたします。
この工事の最大の難所であったトラスは、木のかたちに少しでも近づけようとしたため、力学的にはちょっと合理的ではないところもありますが、押される材と引っ張られる材で端部の作り方を変えてあるので、ブランコを吊り下げても全然大丈夫です。
これから工事も最終盤に入ります。
かすみがうら市で工事中だった古民家再生がほぼ終了し、完了検査が無事終わりましたので報告します。
2年以上の歳月を要した大変な工事でした。関係者各位にこの場をお借りしてお礼申し上げます。
詳細は後程お知らせする予定ですが、
ご興味のある方がいらっしゃいましたらご一報くださいますよう、お願いいたします。